【試合評】関東大会県予選準決勝、対昌平高戦

平成29年度高校サッカー関東大会埼玉県予選は、4月29日(土・祝日)に準決勝が行われた。西高は、さいたま市の埼玉スタジアム第2グランドで、11時00分から新人大会優勝校の昌平高と対戦し、1対5(0対0、1対5)で敗れ、残念ながら関東大会への出場はかなわなかった。

試合は静かな展開で始まった。本年度県下No.1チームとの評判が高い昌平高は、西高の実力を計るかのように、無理をせずに中盤でボールを回してきた。西高も集中し、昌平高MF陣がCFへ当ててくるくさびのパスによく足を出して、相手エースに決定的なチャンスを作らせなかった。

昌平高CFの巧みなターンに西高DFが入れ代わられてしまったシーンでは、西高GKが飛び出してピンチの芽をつんでいた。しかし、相手エース選手のスピードを警戒するあまり、西高DF陣はラインをこれまでの試合と比べ2、3メートル下げざるを得なかった。それに連動してMF陣も下がってくるため、西高DF陣がクリアーしたボールの大半を昌平高に拾われ、昌平高の波状攻撃を受けることになってしまった。

それでも前半は、西高も中盤で昌平高からボールを奪うと、何度もカウンター攻撃を繰り出し、西高として望んでいたであろう守備的な試合展開に持ち込み、ハーフタイムを0対0で迎えた。
しかし後半は前半とは異なり、いきなり試合が動いた。後半開始直後、昌平高に攻められた西高がカウンター攻撃に移ろうとしたところ、中盤で昌平高にボールを奪われてしまう。ここから西高が逆にカウンターをくらい、後半開始1分で昌平高に先制点を許してしまった。

その5分後には、昌平高CFにくさびのパスを足下に収められ巧みなターンで前を向かれると、西高DFの目の前からゴールの左上隅のここしかないというところにシュートを打たれ、西高は追加点を許してしまった。今大会、準決勝まで失点が1点しかない昌平高に、2得点を許してしまったこの時点で、試合の行方は大方決まってしまった。

得点を取るしかなくなった西高は、DFを一人外してFWを入れた。だが昌平高は冷静だった。西高の布陣を見て3バックの両サイドを突いてきて、30分までに合計5点を上げられてしまった。

しかし、西高もここから意地を見せた。30分以降は、西高が昌平高を攻め立て、何度もあわや得点かというシーンを作った。後半38分、CKから相手クリアーボールを拾った西高MFがゴール前にいいボールを送り込むと、CKの後も残っていた西高CBが高い打点のヘディングシュートで1点を返した。西高の反撃もここまで、その少し後に試合は終了し、西高は1対5で昌平高に敗れた。

今日の準決勝ではスタンドに多くのOBの姿を見ることができたが、西高は久しぶりの関東大会出場を果たすことはできなかった。現役選手たちには次のインターハイ予選では、本日の試合の後半戦を反省し、試合開始直後や後半開始直後など、試合の帰趨を決める重要な時間では決して失点しない、ということを肝に銘じてもらいたい。そうすれば、インターハイ予選では関東大会予選よりも強くなることができる、そう感じさせるだけのチームとしての潜在能力の高さを、西高は今大会示すことができたと思う。

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