【試合評】U-18リーグ、対ふじみ野高戦

2017年の高円宮杯U-18サッカーリーグ埼玉県リーグは、5月28日(日)に第7節が行われた。2部Aリーグの西高(リーグ3位)は、12時00分試合開始、新座市の西武台高第2グランドでふじみ野高(リーグ6位)と対戦し、2対2(0対1、2対1)で引き分けた。この結果、西高は4勝1敗1引き分け勝ち点13でリーグ3位に後退した。首位は、6勝0敗勝ち点18の浦和学院高。

試合は、立ち上がりから積極的に攻め込むふじみ野高に対し、耐えて守る西高という構図になった。5節、6節と連続して前半に失点している西高は、まずは守りを固めてということで、慎重な試合への入りとなった。それでも前半15分頃からは、西高もボールをつないで、次第に攻撃の主導権をふじみ野高から奪い返していった。西高は5節、6節に比べ、守備から攻撃に転じる際に横幅をより広く使って、相手を揺さぶることが出来ていた。西高はワイドに起点を作り、そこからふじみ野高の両サイドの裏側を攻略し、最後に触ればゴールというシーンを2、3度作った。しかしセンターリングへの詰め方が悪く、シュートをすることができなかった。こういう展開になると、守勢に回ったふじみ野高側にチャンスが来てしまう。前半35分、西高のボールを自陣で奪ったふじみ野高DFが西高陣内めがけて大きく蹴ると、西高DFが相手FWと入れ替わってしまい、飛び出して来た西高GKがペナルティーエリアのすぐ外側でハンドを取られ警告を受けてしまう。このFKをふじみ野高に決められ、前半は0対1とふじみ野高に先行されて終わった。

後半も前半同様の試合展開となった。後半開始早々から15分ほどは、ふじみ野高の攻勢に西高が押し込まれる展開となった。それでも、追いつかなければならない西高が、サイドを起点にパスをつないで徐々にチャンスを作り始める。しかし前半同様、ふじみ野高ゴール前への詰めに問題があった。サイドから入れるボールをニアで合わせると相手DFに阻まれ、ニアを囮にファーへ送り込むと西高選手がいないというシーンが続いた。西高が攻め疲れた後半42分、ふじみ野高に逆襲されたところで、逆に西高がボールを奪い縦に大きフィードすると、これが絶好のカウンターになり西高が同点ゴールを上げ、試合を1対1の振り出しに戻す。その1分後、同点にされたふじみ野高が攻め込んできたところを、再び西高がボールを奪い1点目同様、縦に蹴り込みカウンター攻撃から得点し、ふじみ野高を2対1と逆転する。これで西高が勝ったかと思われたが、ロスタイムに入り今度は西高がふじみ野高陣内でボールをつなぐと、ボールを奪ったふじみ野高がカウンター攻撃で西高陣内へボールを押し戻した。西高がかろうじてこれをクリアーすると、ふじみ野高はロングスローで西高ペナルティーエリア内へボールを送り込んだ。これも西高が一旦はクリアーするが、そのボールを再びふじみ野高に拾われ、西高ゴール前に送り込まれ混戦になる。この混戦から、西高はふじみ野高に痛恨の同点弾を浴び、惜しくも2対2で引き分けてしまった。

この試合を振り返り、パスサッカーを指向している西高がパスサッカーでは得点できず、カウンター攻撃から2得点したことは、皮肉とは言えるが、攻撃のバリエーションが増えるので決して悪いことではない。むしろこの試合の問題点は、西高攻撃陣の相手ゴール前への入り方にあった。これがサイド攻撃と合っていたら、西高はもっと早く得点を上げられたと思う。それと、リードして試合の残り時間がほとんどないところで、ボールを回して逃げ切ることができなかった、この2つにある。この改善すべき点を改善し、6月からのインターハイ県予選に臨んでほしいものである。

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