2021年1月3日(日)9時から西高グランドで、「初蹴り(現役・OB/OG交流試合)」が、行われ、創部から72回目となるシーズンがスタートした。今井敏明OB会長から「去年は新型コロナの流行でインターハイが無くなるなど大変な年であったが、西高としては結果を出せなかった。この悔しさを忘れず、今年は良い成績を収めてほしい。期待している」という激励の挨拶の後、現役男子・女子とOB・OGによる交流試合が行われた。
近年、参加者が200人を超える規模になったこともあり、2015年から交流試合はハーフコートでの9人制の試合に変更されていて、今年も同様の方式で行った。新型コロナウィルス感染のリスクを避け、70代以上のOBが参加を控える中、嬉しいことに小川時雄・初代コーチ(89歳)が、今年も元気な顔を見せてくれた。例年ならば試合の合間には、現役サッカー部員の保護者の方々が作ってくれた豚汁とおにぎりでエネルギーを補給したのだが、今年はコロナ対策ということで家に持ち帰って食べるようにとカップ麺やチョコレートバーなどが配られた。
中締めでは、男子サッカー部の山本海翔・新主将から、「コロナに負けず活動して、今年こそ良い結果を残したい」と意気込みが語られた。女子サッカー部の伊藤瑞希・新主将からは、「新人大会では優勝。それ以外の大会でも、常にベスト4以上に入りたい」という具体的な目標が示された。その後、現役男子Aチームと大学リーグなどでプレーする若手OBで編成した選抜チームとでフルコートの試合を行い、参加者全員で観戦した。試合は現役が1対0で勝利した。
初蹴り終了後は、50周年記念館の会議室に移動してOB会総会が開催された。今井会長を議長に選出した後、第1号議案2020年度事業報告、第2号議案2020年度収支報告、第3号議案2021年度事業計画案、第4号議案2021年度予算案まで順調に承認された。昨年の総会で会則の変更があり、OB会の事業年度は毎年11月1日より翌年10月31日となった。このため、20年度の繰越金は例年よりも多くなった。その後、第5号議案役員選任では現役員全員の再任が認められ、第6号議案として「西高グランドの人工芝化の請願」が可決され、早急に今井会長が西高へお願いに行くこととなった。
第6号議案については、吉田充・学年幹事がプロジェクターを使って、「西高グランドの人工芝化」の目的などについて、入念に説明を行なった。「人工芝化」が単に「高校選手権出場」にあるのではなく、1957年以来の「日本一の奪還」にあること。そのためには、「日本一の練習環境」が必要であり、OB/OGで3年度で約6,000万円を目標に寄付を集める必要がある。その第一段階として、OB会員の名簿を整備し連絡先が不明となっている会員を減らし、各会員とコミュニケーションを取り寄付の目的から理解してもらうことが、全てのスタートになるという説明がなされた。次に、人工芝化の肝になる資金計画について、森大悟・学年幹事から説明がされた。資金計画は、現在、県立浦和高が利用している「埼玉県教育環境整備基金」を、西高も使って集めるというもの。「埼玉県教育環境整備基金」は寄付制度ではなく、「ふるさと納税」のひとつである。このため寄付者が、自分自身の所得税/住民税の使途目的を「西高グランドの人工芝化」と指定しその年の12月末日までに埼玉県へ前払いすると、寄付者は翌年の所得税/住民税から、「埼玉県教育環境整備基金」へ寄付した額から2,000円マイナスした金額が、控除(還付)される。つまり、「埼玉県教育環境整備基金」(「ふるさと納税制度」)を活用すれば、実質年2,000円(3年合計6,000円)の負担で西高グランドへの寄付(ただし上限額は個人の所得により変わる)が可能になる。3年度で6,000万円は高い目標だが、OB/OGに制度の利点を理解してもらえれば到達可能と考えている、という説明がなされた。最後に、名簿整備を担当する須永宏・事務局次長から、OB会員900人のうち約200人の連絡先が不明となっているので、各学年幹事(主に現役時の主将・副主将に委嘱している)を通じて連絡先を確認したい、またOB会HPの「登録情報変更」からも住所変更が可能なので呼びかけていきたい、との説明があった。なお、女子は15回卒業生を出しているが、ほぼ全OG150人の連絡先が把握できている、と報告された。
総会に引き続き臨時学年幹事会が開催され、名簿整備から寄付(ふるさと納税)の促進と取りまとめを行なってもらうため常任幹事候補を選出し、就任打診をすることにした。常任幹事は40代後半の会員までは委嘱されていたが、若手会員には委嘱されていなかった。「人工芝化」を契機に、OB会組織の再整備にも取り組むこととなった。